帰(けえ)りてえが口癖の経理マンのチラ裏

日常に文章を書く時間をもう少し取り入れwrite思って始めました。

税制改正大綱について~資産課税編2・住宅取得等資金贈与関連~

1.お金がある家って本当にあるんですね

この制度も割と昔からありますよね。初めてこの存在を知った時は、こんな制度を適用するような家庭ってあるんだとずいぶん驚いたものです。


私には縁のない規定なので投げやりですが、今回は住宅取得等資金の贈与に関する改正のご紹介です。


2.制度の概要

2-1.概要

大きく分けて、贈与税の非課税規定と、相続時精算課税の特例がありますので、それぞれ解説していきます。


贈与税の非課税

次の要件を満たす場合に、その住宅の取得等に係る契約の締結日等の区分に応じて一定額を贈与税の課税価格に算入しないことができる旨を定めています。


①贈与者が受贈者の直系尊属であること
②受贈者がその住宅取得等資金の贈与に係る居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者であること
③受贈者がその年の1月1日において20歳以上であること
④受贈者のその年の合計所得金額が2,000万円以下であること
⑤次に掲げる場合のいずれかに該当すること
イ.受贈者がその年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の全額をもって、住宅用家屋の新築若しくは未使用の住宅用家屋の取得、又はこれらの住宅用家屋の新築若しくは取得とともにその敷地となる土地等の取得のための対価に充てて住宅用家屋の新築又は未使用の住宅用家屋を取得したこと
※住宅用家屋とは、一棟の家屋で面積が240㎡以下かつ一定面積以上であること、その床面積の1/2以上がその居住の用に供されること、日本にあることのいずれの要件も満たす家屋をいいます。


この下限の一定面積について今回改正があり、従来の50㎡から40㎡へと引き下げられています。


ロ.受贈者がその年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の全額をもって、既存住宅用家屋の取得又はその既存住宅用家屋の取得とともにその敷地となる土地等の取得のための対価に充てて既存住宅用家屋を取得したこと
※既存住宅用家屋とは、使用されたことがある住宅用家屋で一定の耐震基準に適合するもの又は建築から取得までの期間が20年(登記簿上の構造が鉄筋コンクリート造である等一定の場合には25年)以下であり、耐震基準若しくは期間の基準、及び面積要件を満たすことについて登記簿等で証明された家屋をいいます。
ハ.受贈者がその年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の全額をもって、その受贈者が居住している住宅用の家屋について行う増改築等又はその家屋の増改築とともにその敷地となる土地等の取得のための対価に充ててその家屋の増改築等をしたこと。
※増改築等とは、増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替で、工事費用100万円以上、その家屋がその受贈者が主として居住の用に供すると認められること等一定の要件を満たす工事をいいます。
⑥受贈者が、上記の家屋をその取得等をした日までに居住の用に供し、又は同日後遅滞なくその受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれること


要件だけですごく長いですね。租税特別措置法はこんなのばっかです。


贈与税の課税価格に算入しない一定額とは、令和3年4月1日から同年12月31日までの間にその取得等に係る契約が締結されたものについては、省エネ、耐震又は高齢者向け等一定の基準に適合し、かつ、その対価又は費用に含まれる消費税額が10%相当である場合には1,200万円、10%相当でない場合には800万円とすると決められていたのですが、今回の改正で急遽増額されました。それぞれ1,500万円、1,000万円となっています。


先述の基準に適合しない場合にはそれぞれ500万円を減じた金額となります。


相続時精算課税の特例

こちらの規定は大きな改正点はありませんが、せっかくなので解説しましょうか。

  相続時精算課税とは?

そもそもの相続時精算課税という制度から説明しましょう。


相続・遺贈と贈与とでは納付すべき税金の種類が異なり、それぞれを納付した段階で課税関係は終了してしまうのですが、生前贈与も相続と一体として精算することを認めているのがこの制度です。


一般に贈与税は相続税に比べて負担が重いので、生前贈与をするより死ぬまで持ち続けて相続させた方が税務コストは軽くなるのですが、そういう方が多くなると資産の継承が遅々として進みませんよね。そこで生み出されたのが、生前贈与も相続と同様に取り扱って、贈与税が生じてしまったら相続時の相続税から控除する形で精算する、相続時精算課税という制度です。一定の要件を満たす場合に、受贈者の選択により適用を受けることができます。


  住宅取得等資金の贈与を受けた場合の特例って?

相続時精算課税の一定の要件の中に、贈与者がその年1月1日時点において60歳以上であることがあるのですが、その要件の緩和について定めたものがこの特例です。


要件は、その贈与者の直系卑属である推定相続人又は孫が2-1②、③、⑤、⑥を満たしている場合となります。


例えば、25歳の人が55歳の父母から財産の贈与を受けた場合には、贈与者である父母が60歳以上という要件を満たしていないわけですから、相続時精算課税の適用を受けることは原則としてできません。


ただ、それが数々の要件を満たした住宅取得等資金の贈与である場合には、受贈者が贈与者の直系卑属である推定相続人又は孫に該当しているため、贈与者である父母は60歳未満ではあるものの、特例として相続時精算課税の適用を選択することが可能となります。


3.はじめての記事落とし

前にも書きましたが、個人的には税制改正大綱は毎日1件ずつやってパパっと終わらせたかったのですが、ついに昨日落としました。ごめんなSorry。


まあ自分が楽しむためのものに自分が追われてちゃ世話ないですから、早いうちに自分ルールを破れてよかったのかもしれません。


ただ1度破ってしまっただけで自分ルールに全くのガン無視を決めてよいという道理もないです。そもそも世の中完璧に熟せることの方が少ないわけですから、1か0かではなく、1がダメなら0.95くらいはという意思や気力こそ大事なのだと思うんですよ。なのでこれからも1日1件という目標は掲げ続けます。幸いにも明後日から3連休ですから、ここでガッツリ溜めておきたい……!